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ピアノメーカー擬人化 設定について

 

■成立と誕生日

 「登記によって生を享け、登記の閉鎖にて死を迎える」を前提としているが、将来「法人」として存在する可能性をもって、実体(肉体)を持ち活動していることがある。自然人でいうところの胎児にも似て、そこに存在はするが「権利能力」「行為能力」ともに存在せず、行いは「停止条件付(この場合、法人としての権利能力を得るまでは停止しており、得て以来有効となる)」で実効性をもつ、という設定とした。

 そのため、誕生日は原則「法人が権利能力を得た日」で一律定義している。カワイの誕生日は河合小市氏の操業開始日ではなく株式会社の設立日、ボストンの誕生日が米国のスタインウェイ子会社としての設立日、ディアパソンの誕生日が「株式会社ディアパソン」の名で登記された日となっているのはそのためである。尚、ドイツの古いメーカーは、「有限責任会社(GmbH)」の法律上の制定が1892年であり、それ以降にGmbHに改組したメーカーは登記簿の過去を遡れず、正確な年月日特定ができない。そのため書籍・公式サイト等の記述を採用した。設立年月日と登記完了年月日の両方が記載されるもの(イタリアの商業登記簿等)では設立年月日を採用している。グロトリアンとスタインウェイの関係については、その出自から、双子だが法人としての生年月日は明確に相違するという見解を採った。

 

■姿かたち

 アコースティックピアノのメーカーについては、基本フラッグシップのフルコンサートグランドピアノの奥行と幅で身長と体格を設定。特筆して評価の高いジャンルがあるメーカー、フラッグシップ機の諸元非公開メーカー、現在生産をしていないためラインナップが判定できないメーカー、フルコンサートグランドピアノを製造していないメーカー(ブランド)についてはこの限りではない。弦張力や響板設計に特筆する点がある場合、体格に採用していることもある。電子ピアノメーカーは、電子ピアノは勿論のこと、他に作っているものからも姿かたちを想定している。

 

■法人と自然人の違い

 基本、設立日(登記完了日。法人が法的に権利能力・行為能力を持つとされる日)には設定にあるような姿かたちで存在している。乳幼児や少年少女の姿から成人の姿へと変容することもあれば、青年の姿をしていたものがやがて老人の姿となったりすることもある。

 血液のかわりに現金同等物が流れており、怪我をすると血のように赤い液体が流れるが、体を離れると紙幣や貨幣となってほろほろと落ちてゆく。また経営悪化により貧血に似た症状を起こすこともあれば、トラブルで発熱したりすることもある。自然人が医師に頼る局面で法人が呼ぶのは弁護士であり、上場していれば定期的に公認会計士の健康診断を受け、その書面を公開している。他の血液(資本受入であったり、借入であったり)を輸血しすぎるとトラブルにも繋がるため注意が必要だ。

 食事・排泄その他、自然人が生活のために行うことの大半は肉体の維持のため同様に行っている。生殖器官は使えるようだが自然人のような生殖能力は持たない。そのかわり性別を問わず、複数人もしくは単独で、分離独立した別個の「法人」を作ることができる。その誕生に立ち会うのは公証人や司法書士である。

操業停止、もしくは法人登記簿の閉鎖(清算結了・破産手続の終了等)によって権利能力の一切を失う。これが法人の死と考えている。

 

■調査ソース

 各メーカーの公式サイトやツイッター・フェイスブック等での公式の情報公開、出版されている書籍、公的機関や新聞社・調査機関等のweb上の記述、各国の商業登記簿、有価証券報告書等の公開されている書面を利用した。